てんかん外来
てんかんとは
てんかんは、突然意識を失って反応がなくなるなどの「てんかん発作」を繰り返し起こす病気です。人間の脳の中で大脳皮質と呼ばれる部分は、感じたり、考えたりする高度な仕事をしていますが、その神経細胞がさまざまな原因で異常興奮を起こす状態がてんかんです。
てんかんは、原因不明な「特発性てんかん」と、頭部外傷、脳卒中、脳腫瘍、アルツハイマー病などの原因が明らかな「症候性てんかん」に分けられます。乳幼児から高齢者までどの年齢層でも発症します。
診療内容
診察について
てんかんの病型を診断するためには、問診が非常に重要です。発作がどんな症状なのか、どういう経過だったのかをじっくりお話を伺いながら診断を行います。
意識を失う発作であった場合、ご本人にはどんな発作だったかわからないことが多いため、一緒に住んでらっしゃるご家族、職場の方、ご友人など、普段のご本人をよく知ってらっしゃる方に一緒に来院していただけると、情報が多いため助かります。初診は特に時間をかけてじっくり問診を行うため、ぜひご同伴をお願いします。
検査について
てんかんの診断の基本は、問診、脳波検査、画像検査の三本柱になります。
脳波検査は、デジタル脳波検査を基本とします。脳波は脳の神経細胞が出すわずかな電流で、それを記録することで脳の異常を診断します。一回の脳波検査で異常が認められない場合もあり繰り返し検査を行う場合や、発作を観察することを目的としてビデオ脳波モニタリングを行う場合があります。
画像診断は、大脳の中がどのような状態になっているかについて調べる検査で、MRIを基本とします。てんかんの原因や、てんかん以外でけいれんが起こっている可能性を確認するために行われます。
治療について
大部分のてんかん治療は、まず外来で内服することからスタートします。近年、抗てんかん薬の種類は飛躍的に増えています。その中から患者さまの病型・状況に適した薬を選択し、内服していただきます。
発作が落ち着いている方については、普段の生活を改めて見直し、薬服用の継続の必要性などについてお話しいたします。また、発作がコントロールされていたとしても定期的に採血検査・脳波検査を行い、現状の把握を行います。
一方で、発作がなかなかコントロールされない難治性てんかんの患者さまについては、改めて発作のタイプ・発作頻度をゆっくりお聞きし、必要に応じて脳波検査・採血検査を行った後に薬剤の種類・選択について各種ガイドラインに照らし合わせて選択します。
薬剤治療にも関わらず難治に経過する場合には、外科治療を行うことで発作のコントロールがつきやすくなる例があります。必要症例に対して低侵襲な方法で外科治療を行っており、早期の回復と社会復帰を目指しています。
医師紹介
医師 | 久保田 有一 (くぼた ゆういち) |
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専門領域 | 脳神経外科一般、てんかん、機能的脳神経外科、脳血管障害、脳腫瘍 |
認定医等 | 東京女子医科大学東医療センター脳神経外科教授 医学博士 日本脳神経外科学会専門医・指導医 日本脳卒中学会専門医・指導医 日本てんかん学会専門医・指導医 日本臨床神経生理学会専門医・指導医(脳波部門) 日本経腸静脈栄養学会TNT修了 ボトックス注施行医 ITB療法受講修了 脳梗塞rt-PA 適正使用講習会受講 迷走神経刺激(VNS)療法認定医 全日本病院協会医療安全管理者 東京女子医科大学研修指導医 |
診察時間(完全予約制)
診察日:第2・第4水曜日14時~(完全予約制)
受診の際は、お電話等で「脳神経外科」外来へ事前にご予約・お問い合わせください。初診は、“戸田中央総合病院あて”の紹介状が必要です。
初診ご予約の際は、「紹介状」・「診察券(受診歴がある方のみ)」をお手元にご用意の上、ご連絡ください。紹介状に記載されている診療科(脳神経外科またはてんかん外来)をお伝えいただくことにより、ご案内がスムーズになります。
【ご予約・お問い合わせ】
0570-01-1114(代表ナビダイヤル)
※音声ガイダンスに従って番号を選択してください。
【電話対応時間】
平日:8:30~12:30、13:30~17:00
土曜:8:30~13:00
※休診日は除きます。
医療連携に対する取り組み
紹介患者さまの受け入れはもちろん、逆紹介にも積極的に対応しています。
ご紹介いただきました患者さまにつきましては当科で精査・診断・治療を施術後、安定期に入った段階で紹介元の医療機関にお戻しいたします。